トレードで得られる利益の期待値を計算する方法

トレードを行う際には、エントリーする前にこれから持つポジションでどの程度利益を得られるかを考えて、少しでも利益が取れそうな方にエントリーをしたいと思いますよね。

では、どのようにすれば、利益が取れそうということを分かりやすく具体的な数値で表すことができるのでしょうか。
まずは、期待値とは何かを説明します。

期待値とは

期待値とは、ある試行を行ったとき、その結果として得られる数値の平均値のことです。

具体的には、数字が「1」のカードが1枚、数字が「2」のカードが2枚、数字が「3」のカードが3枚、数字が「4」のカードが4枚、合計10枚のカードがあります。
10枚のカードの中から1枚のカードを引いて、出た数値の100倍の金額を貰えるとします。すなわち、3のカードが出れば300円貰えるとします。
10枚のカードの中から1枚のカードを引いた時、貰える金額の期待値はいくらでしょうか。

答え.300円

期待値=x1・1+2・2+2・2+・・・n・

期待値=(100・1/10)+(200・2/10)+(300・3/10)+(400・4/10)
   =10+40+90+160
   =300

結果(x)とその確率(p)の積の総和

期待値は、結果とその結果がでる確率の積を合計して、1回当たりの結果(平均値)を計算しても算出することができます。

1のカードを引いて100円貰えるのが1回
2のカードを引いて200円貰えるのが2回
3のカードを引いて300円貰えるのが3回
4のカードを引いて400円貰えるのが4回

(100×1+200×2+300×3+400×4)÷10=300

【期待値計算表】

カードの数値 合計
そのカードを引く確率 p 1/10 2/10 3/10 4/10 1
貰える金額 X(円) 100 200 300 400
Xxp 10 40 90 160 300 

の表の中からXとpを抜き出した表を確率分布表といいます。

【確率分布表】

金額 X(円) 100 200 300 400
確率 p 1/10 2/10 3/10 4/10

Xのことを確率変数と呼びます。

 

トレードへの応用

ターゲット(TP)までの距離×ロット(x)とそこに至る確率(p)を計算します。

例えば、上昇中のロング(20pips×1ロット=200ドル(x))をエントリーしたいとします。
目標のpipsを獲得できる確率を推定します。
なお、確率は、過去の値動き等を踏まえて、想定値を設定します。これは、経験則から導き出す以外に方法はありません。

  • 転換が疑われるところ 55% → pipsを伸ばすことができる
  • 上昇の初動      70% → 確度が高い
  • 上昇の中期      60% → トレンドに支えられるがpipsを伸ばすことは難しい
  • 上昇の後期      50% → トレンドは明確であるもpipsは限定させた方が確度を上げられる
  • 押し目        60% → トレンドが明確な中、一度落ちたとしてもトレンドに回復する
                     可能性や反発は少なくともある。問題は、下落転換した場合の
                     反発の具合によっては、pipsを限定させた方が良い。

 

転換が疑われるところは、逆張りを取ることと同じなので想定している20pipsよりも取れる可能性があり、他のどの点でエントリーした場合によりもpipsを伸ばすことができます。
例えば、中段保ち合いから、一段下げて中段保ち合いしてからの上昇などです。下がったところで下がりきらないと売りが出尽くして、上昇するのです。
ただし、決して確率が高いものではありません。

上昇の初動は、何らかのサインが出ているところになります。ムービングアベレージをまたいだ値動きがあった、大陽線が出た、セリングクライマックスが発生したなどです。この点も、pipsを伸ばせる点になります。
また、受給の状態が変わり、あまり売りが出なくなった場合などが該当します。
なお、上昇の初動でエントリーするというのは、レンジ内で入ることを指します。


上昇の中期は、転換をしたことが明確で、一度押し目を作ったような場合です。中期以降は、どこで転換してもおかしくないようなフェーズになります。(上昇の後期は、結果からしか分からないため、「中期=後期」ともいえます。)トレンドに支えられるものの高値更新しない可能性も高くなりpipsを伸ばすことは難しくなってきます。

もし、押し目でエントリーをして下落した場合は、どうするかといいますと、「0ライン(建値で逆指値)」を作るのです。

 

上昇の後期は、更に上に行くのか下がるのかは、ギャンブルのような状態になってしまうため、pipsを限定させた方が確度が高くなるものです。
押し目は、多少の転換はするものの、仮に転換してしまった場合は、結果を見ないと分からないため、再度上昇すればpipsを伸ばせる可能性があるものの下落転換したことを考えてpipsを限定させた方が良いとなるものです。

 

トレードのpはxと入る場所に依存

pとは、利食いの確率です。
利食いの確率は、x(距離×ロット)の片方の要素である距離に依存しています。(利食いの確率は、ロットには、まったく影響しません)

距離が限定されている(エントリーポイントから近い)ほどp(利食い)の確率は、高まります。
逆に距離が遠いほどpは下がります。
また、エントリーポイント(転換、初動、中期、後期)によってもpは変わります。
そのため、「初動」又は「押し目」でエントリーするのが望ましいです。

つまり、pを高めるためには、「距離」と「場面」の2つの要素を考える必要があります。
また、場面(エントリーポイント)によっても取れる距離が変わってくることにも注意が必要です。

 

トレードの負の側面

期待値を計算では、多くの場合、得られる金額が問題になります。
しかし、トレードにおいては、得られる金額の反対に失う金額もあります。
失う金額も勝ったときの期待値と同様に(距離×ロット)×(その確率)となります。

トレードでは、失う期待値と得られる期待値の差がプラスの状態にあるとき利益を享受することができます。
逆に失う期待値の方が高い場合は、元手を失うことになります。

例えば、

  • 転換期待の場面でロング  → 下に行く(ロスカットになる)確率 45%
  • 上昇初動のサインでロング → 下に行く(ロスカットになる)確率 30%
  • 上昇の中期でロング    → 下に行く(ロスカットになる)確率 40%
  • 上昇の後期でロング    → 下に行く(ロスカットになる)確率 50%

上昇の初動で20pipsを狙う場合の得られる期待値(プラスの期待値)は、
20pips×1ロット×70%=140ドル

上昇の初動で20pips失う場合の期待値(マイナスの期待値)は、
20pips×1ロット×30%=60ドル

140ドルー60ドル=80ドル

つまり、この勝負は、期待値上、プラスの期待値が純額で上回るため、やるべきです。
※ロスカットまでの距離を縮めることでx(失う結果)を下げることが可能です。
 ただし、その場合は、負の確率(p)が上がることに注意が必要です。
※ターゲット距離を高めることでx(得られる結果)を上げることが可能です。
 ただし、その場合は、プラスの確率(p)は、下がることに注意が必要です。

 

まとめ

トレードでは、エントリーを行うことがなければ、勝つこともなければ負けることもありません。
負けたくないからといってエントリーをしないわけにはいきません。
本当に負けたくないならば、元手をすべて貯金して保全するか、別の方法で運用するためにトレードを辞めるという決断になります。

エントリーを行うならば、常にプラスの期待値とマイナスの期待値があり、その差額として純額がプラスになっていることを確認する必要があります。
もちろん、正確に確率を計算することは、不可能ですが、経験則を元に合理的な確率を場面ごとに推定していくことは可能になります。

そして、ターゲット距離をどうすればpが上がるのか、ロスカット距離をどうすればpが下がるのか、そして、この場面ではいくつのロットでやるべきなのか、パスすべきなのか、buyなのかsellなのかを考えるのがトレーダーには求められます。
まずは、よく考えて紙に書き出すことを繰り返すのが良いです。そのうち、自然とできるようになります。

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