長期投資を行う際の基本的な思想を偉大な投資家の実例を基に紹介します

長期投資は、短期投資とは異なる考え方をしないと勝つことはできません。
過去の記事でも紹介しましたが、中途半端に投資をしてしまうと短期投資より、リターンが下回ってしまうことがあります。

そのため、長期投資を行う際にどのような思想(考え方)でやればよいのかをしっかりと体に刻み込んでおく必要があります。

長期投資の基本思想

今日の2,000万円は、10年後の2億円
という思想を体にしっかりと刻み込むことです。

あなたの200万円は、2,000万円になるし、2,000万円は2億円になります。2億円であれば、20億円になります。

このような思想を持ることで、長期投資家は成功をしてきました。

これは、嘘でも妄想でもなく真実なのです。

 

ウォーレンバフェットが21歳で書いた論文

ウォーレンバフェットが21歳の時に書いた論文があるのですが、これが長期投資を行う上で非常に参考になる思想で書かれていますのでご紹介します。

自動車保険のGEICO

この論文に登場するのは、自動車保険を扱う「GEICO(Govemment Employees Insurance Corporation)という会社です。

1940年代~50年代当時、自動車保険業界の株は、特殊事情により、ブル相場(※)の埒外に置かれていました。
ブル相場とは、上昇相場のことをさしており、ブル(牛)が角を突き上げる姿をチャートの上昇に例えて、ブル相場と呼ばれています。
しかし、通常の収益力と資産構成からすれば、これらの株は割安といえました。

※反対の相場を「ベア相場」といい下落相場のことをさしています。熊が手を振り下ろす姿をチャートの下落に例えています。

GEICOのメリット

自動車を運転している人にとって、自動車保険は必需品といえます。

契約は、1年毎に契約者の運転状況によって見直しができますので、それにより、事故が多い人の保険料は、翌年から上げられるので、損失のリスクは少ないです。
また、顧客のターゲットとして、政府の役人、軍人、退役軍人、軍事関連従事者、大学職員など安定した層(保険金請求が少ない人)をターゲットとしていました。

保険という無形商品の特性上、原材料の問題がなく、「在庫」がないため、保管費用や商品が陳腐化することもありません。
また、製造業と違い商品を作るのに設備が古くなることもありません。(設備投資がありません。証券の印刷はあるかもしれませんが、外注していたと思います。)

しかも、保険金は、「前払い」のため資金回収の必要もありません。(売掛の不良債権がない。)

他にも、労使問題がなかったり、保険代理店、支店を持っていなかったため、中間マージンを支払う必要がないため、30%程度保険を安く売ることができました。

売上

この数年は、売上がインフレ率程度にしか増えていませんが、保険額面、契約者数の伸びに着眼すれば、成長企業であるといえました

年代 保険額 契約者数
1936年 10万ドル 3,754人
1940年 76万ドル 25,514人
1945年 163万ドル 51,697人
1950年 801万ドル 143,844人

 

成長の理由

GEICOがこの先成長すると信ずるにつき相当な理由がありました。

  • 1950年までは、50州のうち15州でしか販売できなかったが、1951年から全米に向けて販売できるようになった。
  • ニューヨークなど人口密集地域の方が高い保険料が取れる。
    ニューヨークなどでの展開はすでに始まり3,000人が契約している。
  • 本来受けたくない契約をエージェント経由で無理に契約させられる必要もなく、保険金支払い増大のリスクが少ない。
  • GEICOは、サステナブルビジネス(※)でもある。
    ※戦略に環境や社会的な要因を組み込んで展開するビジネス

GEICOの一番の魅力は、利益率の優位性にありました。

業界全体がパッとしなかった1950年のEPSでみて8倍というPERで評価されている今の株価は、GEICOのとてつもない潜在成長力からすれば、タダみたいなものだった。

※当時の株価は、31ドル、1株当たりの利益はおよそ4ドル
※1951年当時のGEICOの時価総額は、約8億円
※1995年には、GEICOの時価総額は、約4,600億円
 (この時には、100%バークシャー参加に)
※44年の歳月を経て575倍となった。
※1億が575億円となる計算です。

 

将来の潜在成長からすればタダ同然?

長期投資にも2種類あり、「バリュー投資」と「グロース投資」です。

バフェットは、20年間バリュー投資をしたことについて、自分が気づくのが遅く、大器晩成であったと自戒しています。

結局、グロース投資が正しかったのです。

バフェットは、これではいけないとうすうす気づいていたが、それでもベンジャミングレアムの思想から離れるのに長い年月を要したと回想しています。

バフェットが40代を超えてから偉業を達成し始める理由でもあります。

ホックチャイルドコーン(デパート)を1960年代後半に買っている。
⇒簿価より安く、経営者は一流、含み益のある不動産を保有していた。
しかし、結局、3年後に買値と同じ値段で売却する。

妻は、私の友人と逃げてしまった。今でも彼のことを思い出す。と回想。
⇒ホックチャイルドコーンを妻に例えて、次に買った投資家を彼に例えて、ひどい妻を連れた彼を心配しているという皮肉です。

安物買いの銭失い

ただし、ベンジャミングレアムの理論のすべてが否定されるわけではないことには注意が必要です。

バリュー投資とは

簿価よりも安い価格で買い、簿価になったら売る手法

「安かろう、悪かろう」

チープビジネスを安価で買うのがバリュー投資です。
可のビジネスを優の価格で買うのがバリュー投資です。

グロース投資とは

将来の潜在成長を特定し、成長する限り保有する手法

「良いものをフェアプライスで」

優のビジネスを可の価格で買うのがグロース投資です。
グッドビジネスをまずまずの納得できる価格で買うことがグロース投資です。

仮に価格が上がっていてもさらなる成長が予見できれば買う(ただし、高すぎる価格では買わない)。

これまでの実績を見て、これからの将来性を測る手法です。

良いものがより良くなることに投じます。

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